新しい研究は、免疫の健康を守る上でビタミンDの重要性を示している

この記事の内容:

• 200人以上の科学者や医師がビタミンDの摂取量を増やすよう呼びかけている理由
• ビタミンDと免疫機能に関する研究はどのようなことを示していますか?
• ビタミン D 欠乏症のリスクが最も高いのは誰ですか?
• 要点

2022年2月更新 / 初版2021年3月

イスラエルの医学研究者らは、PLOS ONE誌に掲載された研究で、ビタミンD欠乏症と呼吸器感染症の重症度の間に相関関係があることを示した。ビタミンD欠乏症の患者は、血中25(OH)D3濃度が40 ng/mlを超える患者と比較して、重篤な病気や危篤状態になる可能性が14倍高かった。

これらの調査結果は、もともと MedRxiv で公開された結果に基づいています。

200人以上の科学者や医師がビタミンDの摂取量を増やすよう呼びかけている理由

公衆衛生当局、医師、医療従事者への公開書簡の中で、数人の一流医療専門家が共同で、免疫機能と全体的な健康に対するビタミンDの重要性を強調する声明を発表した。 ¹

この書簡が送られる少し前に、元米国公衆衛生局長官のリチャード・H・カルモナ医師は、2021年1月5日にMedicine Todayに意見記事を発表し、同様の呼びかけを行い、生死に関わる決定を下す際には医師が責任を持ち、完璧な証拠を待たないように促した。 ²

これらの研究者や医師は、ビタミン D3 サプリメントの利点と安全性を十分に理解しており、人々が十分なビタミン D を摂取できるようにすることが公衆衛生上の最優先事項の 1 つであるべきだという意見は明確です。 ^1、2、4

ビタミンDと免疫機能に関する研究はどのようなことを示していますか?

ビタミン D3 の健康効果は骨や歯だけに限りません。 これは免疫機能にとって特に重要であり、特に呼吸器ウイルス感染からの保護に役立ちます。 ビタミン D3 の血中濃度の上昇とビタミン D3 の補給が、ウイルス誘発性呼吸器感染症の発生率の低下と関連していることを示す科学的証拠があります。 ^5-7

世界で最も権威のある情報源の一つである英国医学雑誌に掲載された詳細な文献レビューで、研究者らは25件のランダム化比較試験の結果を評価した。この試験には乳児から90代までの11,321人が参加した。 研究者らは、ビタミンDレベルが低い人がビタミンDサプリメントを摂取すると呼吸器感染症の発生率が70％低下することを発見した。 ビタミンD欠乏症のない人々も、ビタミンDサプリメントを摂取した後、呼吸器感染症が25％減少しました。 ⁶

ビタミン D 欠乏症のリスクが最も高いのは誰ですか?

ビタミン D 欠乏症は、おそらく世界で最も一般的な健康問題です。このビタミンは食物から簡単に摂取できないためです。しかし、日光が皮膚に当たると、露出した皮膚内の化合物 (7-デヒドロコレステロール) がビタミン D3 に変換されます。

多くの人が屋内で多くの時間を過ごしたり、屋外にいるときは衣服や日焼け止めで日光から身を守ったりするため、ビタミン D 欠乏症はよく見られます。 ビタミン D 欠乏症のリスクを高める要因には、高地での生活 (日光への露出が少ない)、加齢 (加齢とともに皮膚の紫外線に対する反応が低下する)、黒っぽい肌 (皮膚のメラニンが皮膚に対する紫外線の影響を低下させる)、肥満、肝臓病、2 型糖尿病 (これらの状態により肝臓が D3 を 25-OH-D3 に変換する能力が低下する) などがあります。

血液中の25-OH-D3濃度が20 ng/ml未満の場合は、ビタミンD3欠乏症と診断されます。 30 ng/ml を超えるレベルはビタミン D が十分であることを示します。最適な範囲は 50 ～ 80 ng/ml です。

表1 - 米国におけるビタミンD3欠乏症に関する警告統計

人口の70%はビタミンDが不足しています（血中濃度30 ng/ml未満）

人口の50%はビタミンD欠乏症（血中濃度25 ng/ml未満）

入院患者の60%はビタミンDが欠乏している

妊婦の76%は深刻なビタミンD欠乏症に陥っている

介護施設の患者の80％はビタミンDレベルが不足している

要点

ビタミン D3 レベルが低い人は、補給しないとリスクが高すぎるため、今すぐビタミン D3 を補給する必要があります。 広範囲にわたる補充を促した200人以上の専門家は、次のような勧告を行った。

• 血中 25-OH-D3 濃度を測定して、状態と補給に最適な投与量の範囲を決定します。
• ビタミン D3 を摂取していない、または血中 25-OH-D3 濃度が 30 ng/ml 未満の成人は、2 ～ 3 週間にわたって毎日 10,000 IU (250 マイクログラム) を摂取する必要があります。
• この初回投与後、毎日 4000 IU (100 マイクログラム) を補給してください。 この用量は一般的に安全であると考えられています。 ⁹
• 太りすぎ、肌の色が濃い、または老人ホームに入居しているために欠乏症のリスクが高い成人は、1日あたり8,000 IUというより高い摂取量が必要になる場合があります。 投与量を決定する最良の方法は検査を受けることです。

参考文献:

1. https://vitamindforall.org/letter.html
2. 翻訳：https://www.medpagetoday.com/infectiousdisease/covid19/90530
3. https://vitamindforall.org/Carmona_letter_preamble.pdf
4. Parva NR、Tadepalli S、Singh P、他「米国人口におけるビタミンD欠乏症の有病率と関連リスク要因（2011～2012年）」Cureus. 2018年6月5日;10(6):e2741.
5. Pham H、Rahman A、Majidi A、Waterhouse M、Neale RE。急性呼吸器感染症と25-ヒドロキシビタミンD濃度：系統的レビューとメタ分析。Int J Environ Res Public Health。2019;16(17):3020。2019年8月21日発行。doi:10.3390/ijerph16173020
6. Martineau Adrian R、Jolliffe David A、Hooper Richard L、Greenberg Lauren、Aloia John F、Bergman Peter 他「急性呼吸器感染症の予防のためのビタミン D 補給：個々の参加者データの系統的レビューとメタ分析」BMJ 2017; 356 :i6583
7. Ginde AA、Blatchford P、Breese K、他「高齢長期ケア入居者における急性呼吸器感染症予防のための高用量ビタミンD月間投与：ランダム化臨床試験」J Am Geriatr Soc. 2017;65(3):496-503. doi:10.1111/jgs.14679
8. https://emerginnova.com/patterns-of-covid19-mortality-and-vitamin-d-an-indonesian-study/
9. De Smet D、De Smet K、Herroelen P、Gryspeerdt S、Martens GA。入院時の血清25(OH)DレベルはCOVID-19のステージと死亡率と関連している。Am J Clin Pathol。2021年2月11日;155(3):381-388。
10. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0263069
11. 翻訳：https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.06.04.21258358v1